共創で生まれるプロダクト事例
エピソード4
Report
:共創から生まれるインクルーシブなIoTプロダクト事例集

【連載第4回】 共創から生まれるインクルーシブなIoTプロダクト事例集
Ontenna
音を感じるユーザーインタフェース
Ontenna(オンテナ)は、髪の毛や耳たぶ、襟元や袖口などに装着することで、音の特徴を振動と光に変換してユーザーに伝える新しいデバイスです。60〜90デシベルの音を256段階の振動と光の強さにリアルタイムで変換し、音のリズムやパターン、大きさを視覚と触覚で感じることができます。
聴覚障害者だけでなく、健聴者も利用可能で、スポーツ観戦やライブ鑑賞、プログラミング教育など多様なシーンで活用されています。Ontennaは、プログラミングツール「Scratch」を使って光の色や振動の強さをカスタマイズできる機能も備えており、教育分野やエンターテインメント分野での利用が広がっています。

Ontenna - 髪の毛で音を感じる新しいユーザーインタフェース
ユーザーとの共創によるプロダクト開発
開発初期段階から、聴覚障害者の方々にインタビューを行い、彼らのニーズや課題を深く理解することに努めています。このフィードバックを基に、デバイスの基本設計が行われました。
初期プロトタイプが完成した段階で、実際のユーザーに試してもらい、使用感や改善点についてのフィードバックを収集。このプロセスを繰り返すことで、ユーザーのニーズに最適化されたデバイスを模索しています。
Ontennaを用いたプログラミング教育環境(プログラミング機能、教育指導案、スライド)を無償公開し、教育現場での活用を促進しています。

エクストリームユーザの意見に基づくユーザーインタフェース開発と社会実装ろう者とともに開発した音を身体で感じる装置Ontennaの事例等─
株式会社オリィ研究所 - OriHime
遠隔操作で人と人をつなぐ分身ロボット
OriHimeは、株式会社オリィ研究所が開発した分身ロボットで、遠隔地にいる人がまるでその場にいるかのようにコミュニケーションを取ることができるデバイスです。
カメラ、マイク、スピーカーが搭載されており、インターネットを通じて操作が可能です。これにより、移動の制約がある人でも、行きたい場所にOriHimeを置くことで、その場の風景を見たり、会話に参加したりすることができます。

ユーザーとの共創によるプロダクト開発
初期型のプロダクトは、2足歩行で故障しやすいという課題を抱えていました。そこで誰でも簡単に利用できるプロダクトの開発に着手。OriHime-miniが誕生し、首の左右と上下の動きだけで様々な仕草を表現することが可能になりました。
開発初期段階に、難病で長期入院している小学生の男の子に試験使用してもらうことで、プロダクトを利用する当事者のニーズや課題を深く理解しています。
教育の現場でも利用されるOriHime。授業中だけでなく、休み時間中に友だちとボードゲームで楽しく遊ぶなど、通学しなくても誰とでもコミュニケーションが取れるきっかけに。
OriHime導入後も、利用者のもとに足を運び感想をヒアリングしています。これにより、新しい課題やニーズを把握し、OriHimeの改善や新しい製品開発のインサイトとして役立てています。

SONY DSC-HX99 RNV kit
“見えづらい”を“見える ”に変えるカメラキット
DSC-HX99 RNV kitは、ソニーとQDレーザ社が共同で開発したロービジョン者向けの革新的なカメラキットで、ソニーのデジタルスチルカメラ「Cyber-shot DSC-HX99」とQDレーザ社の網膜投影型ビューファインダー「RETISSA NEOVIEWER」を組み合わせたものです。
RETISSA NEOVIEWERはレーザ網膜投影方式を採用し、プロジェクターでスクリーンに投影するように、被写体をそのまま網膜周辺に投影するので、視力やピント調節機能が低くても撮影が可能になります。これにより、従来のビューファインダーや画面が見えづらい方へ新しい撮影の可能性を提供し、創作意欲をサポートします。
この製品は、ソニーの掲げる「2025年度までに、原則全ての商品やサービスを障害者や高齢者に配慮した仕様にする」という方針に基づいて開発、販売された製品の一つです。

SONYのインクルーシブな取り組み
SONYは「2025年度までに、原則全ての商品やサービスを障害者や高齢者に配慮した仕様にする」という方針に基づき、さまざまなインクルーシブデザインの取り組みを行っています。
XRキャッチボール
ソニーの映像、⾳響、センシング技術や、MUSVI株式会社のテレプレゼンスシステム「窓」を活⽤し、⾳を頼りに仮想のボールをやりとりするバーチャルなキャッチボールを紹介します。

PlayStation®5用Access™コントローラー
PlayStation®のアクセシビリティへの取り組みの中から、アクセシビリティの専⾨家や障害のあるユーザーとの対話を重ね、あらゆるカスタマイズに対応できるようデザインされたPlayStation®5⽤のコントローラーキットをご紹介します。

ウルトラライトサックス
すべての⼈に楽器を演奏する機会を提供する「ゆるミュージック」から、複雑なキー操作なしで、鼻歌でサックスを奏でることができる楽器を紹介します。

新たな価値をもたらすインクルーシブデザイン 障害当事者と共に学び考える
OrCam
自立とアクセシビリティを向上させるAIデバイス
OrCamは、視覚障害者や読字障害を持つ方々の自立とアクセシビリティを向上させるためのAIデバイスを提供しています。OrCamの製品は、視覚情報を音声で伝えることで、ユーザーが日常生活をより自立して送ることを支援します。
OrCam MyEye
OrCam MyEyeは、視覚情報を音声で伝えるデバイスです。小型カメラがとらえた文字や顔、お札、色、時間などの情報を音声で伝えます。特徴として、新聞や本、レストランのメニュー、標識、製品ラベル、パソコンやスマートフォンの画面などの文字を読み上げる機能があります。また、顔や物の認識、簡単な操作、配線不要で使いやすい点が挙げられます。
OrCam Read
OrCam Readは、読字障害を含め、読書が困難な方々のためのデバイスです。ボタンを押すだけで全ページのテキストを読み上げる機能を提供します。新聞や本、レストランのメニュー、クレジットカード、製品ラベル、コンピューターやスマートフォンの画面などの文字を読み上げることができます。

出展:OrCam AIデバイスで自立とアクセシビリティを向上させる
VoiceBiz® UCDisplay®
自然なコミュニケーションを実現するディスプレイ
VoiceBiz UC Displayは、凸版印刷株式会社が提供する新しいコミュニケーションツールで、透明ディスプレイを活用した音声翻訳サービスです。このデバイスは、音声認識技術とディスプレイを組み合わせることで、リアルタイムで音声を文字に変換し、表示することができます。これにより、聴覚障害者や言語の異なる人々とのコミュニケーションがスムーズに行えるようになります。
訪日外国人や外国人就労者などとの多言語コミュニケーションを支援するために開発されました。透明ディスプレイを使用することで、対面でのコミュニケーション中に相手の表情を見ながら会話ができるため、細かいニュアンスや感情を正確に伝えることが可能です。
このデバイスは、音声入力された言葉を相手の言語に翻訳し、透明ディスプレイに表示します。また、音声入力とキーボード入力の両方に対応しており、聴覚障害者や言語障害者にも対応可能です。さらに、デジタルサイネージとしても利用でき、接客時以外には自治体からの案内や広告などの情報を発信することができます。

透明ディスプレイを活用した窓口向けユニバーサルコミュニケーションサービス
Access™コントローラー用アダプティブ ゲーミング キット
ゲームのアクセシビリティを向上させるゲーミング キット
Adaptive Gaming Kit for Access Controllerは、ロジクールが提供する、障害を持つゲーマーのためのアクセシビリティ向上ツールです。このキットは、Xbox Adaptive Controllerと組み合わせて使用することで、様々な身体的制約を持つユーザーがゲームを楽しむことができるように設計されています。
Adaptive Gaming Kitは、12個のボタンとトリガーを含むセットで、ユーザーが自分のニーズに合わせてカスタマイズできるようになっています。これにより、手や指の動きに制約があるユーザーでも、ゲームの操作を簡単に行うことができます。各ボタンは、押しやすさや反応速度を考慮して設計されており、ユーザーの快適なゲーム体験をサポートします。

障害を持つゲーマーも、より快適かつ簡単に楽しめる 「ACCESSTMコントローラー用アダプティブ ゲーミング キット」発売
Eone The Bradley Timepiece
時間に触れられる腕時計
Eone Bradley Timepieceは、視覚障害者を含むすべての人々が使いやすいように設計された革新的な時計です。この時計は、視覚に頼らずに時間を確認できるように、触覚で時間を感じることができるデザインが特徴です。Eoneが大切にしているのは、優れたデザインと障害者のためのインクルージョンです。友人たちの間で共有された単純な問題から始まったEoneは、できるだけ多くの人々のニーズを満たす、美しく機能的な製品を生み出すという使命に開花しました。できるだけ多くの人々のニーズや能力に対応するものである。この焦点は、多様なニーズを持つユーザーがともに製品を楽しめるよう、設計プロセスの中心に置かれています。
触覚で時間を確認
時計の文字盤には、触覚で時間を感じることができるボールベアリングが配置されており、視覚に頼らずに時間を確認できます。これにより、会議中や映画館など、視覚を使いにくい状況でも時間を確認することができます。

CuteCircuit - The SoundShirt
音楽を肌で感じるSoundShirt
SoundShirtは、CuteCircuitが提供する革新的なウェアラブルデバイスで、音楽をリアルタイムの触覚(ハプティック)感覚で体験できるシャツです。このシャツは、聴覚障害者や健常者の両方が音楽やバーチャルリアリティを触覚で感じることができるように設計されています。
ライブパフォーマンスやバーチャルパフォーマンス中に、着用者は各楽器の音楽的なパッセージを物理的に体験し、異なる楽器がシャツの異なる場所に対応しています。これにより、聴覚障害者や難聴者は、触覚を通じて音楽の世界を深く探求し、音声をマルチセンサリーな体験に変えることができます。

Tagtype Garage Kit
日本語入力のための入力デバイス
当初、手の不自由な方のためにプロトタイプとして開発されたTagtypeは、その後、ソニー株式会社および株式会社ベネッセコーポレーションの入力方式として採用されました。
5個ずつ2列に配置されたボタンを用いて、五十音の行と段を交互に入力していくこの入力デバイスは、従来の、QWERTY配列のキーボードと比べて、より簡単で直感的に入力操作を行えます。
MoMA(ニューヨーク近代美術館)の永久所蔵品となるなど、インクルーシブデザインの一例として、多くの人々に新しい可能性を提供しています。

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