シニア・高齢者ビジネスが注目を集める背景
エピソード1
Report
:商品開発から見えたシニア・高齢者と共創するガイドラインとは

【連載第1回】 商品開発から見えたシニア・高齢者と共創するガイドラインとは
近年、シニア向けビジネス市場は大きな成長領域として注目されています。2012年発行の「みずほ産業調査」によると、その市場規模は100兆円にのぼると試算されています。
こうした機会をチャンスと捉え、シニア向けビジネスに乗り出す企業が増えていますが、残念ながら失敗に陥る事例も少なくありません。
では、シニア世代・高齢者と共創しながら、より価値のある商品開発を進めるためにはどのようなアプローチが求められるのでしょうか。
超高齢社会への突入
令和5年版高齢社会白書による試算では、2035年までに高齢者(65歳以上)の人口が約3割に達するといわれています。これは、あらゆる製品・サービスの3割のユーザーがシニア・高齢世代になる可能性を示唆しています。こうした背景から、さまざまな困難を抱えるシニア・高齢世代に対し、アクセシビリティやユーザビリティの改善を行うことが求められています。また、こうしたシニア・高齢世代の人口の増加をビジネスチャンスと捉え、シニア向けビジネスに挑戦する事業者が増えています。

さらに、金融資産はシニア世代に集中している点も重要です。
第28回税制調査によると、日本の個人金融資産1,700兆円のうち、約6割がシニア・高齢世代に集中しています。加えて、長寿化に伴い、被相続人の平均年齢も高齢化していることで、若年層への資産移転が進みづらくなっています。

出典:第28回 税制調査会 内閣府(2019)を基に弊社作成
こうした背景から、より資産を保有するシニア・高齢世代をターゲットとしたシニア・高齢者向けビジネスをチャンスと捉える企業が増えています。
シニア・高齢者ビジネスによくある3つの誤解
注目を集める高齢者市場ですが、「シニア市場は100兆円規模の非常に大きなマーケットである」「シニア市場を抑えれば、サービスは成功できる」といった誤解がしばしば見られます。
しかし実際には、シニア市場は単一の市場ではなく、多数の市場の集合体です。また、「シニア」という区分も単なる年代の区切りにすぎず、その中には多様な身体特性や趣味嗜好を持つ人々が存在しています。
さらに、「シニアは身体機能・認知機能が衰えているので、サポートするサービスが必要だ」「シニアはデジタルが苦手なので、デジタルサービスは不向きである」といった誤解も散見されます。
しかし実際には、日本の労働人口の約10%をシニア世代が占めており、ボランティアや地域活動など社会参加を行う人も増加しています。また、若者同様にデジタルデバイスを使いこなすシニア世代も少なくありません。
加えて、「非アクティブなシニアをターゲットにするなら70代後半から狙うべき」「60代はアクティブ、70代後半からは非アクティブになっていく」といった年齢による単純な区別も見られます。
しかし実際には、身体機能や認知機能の低下の度合いは人それぞれです。幼少期のように、年齢によってできることや特性を単純に分類することは難しく、個々の状態や背景に応じた理解が求められます。
多様な特性の人々を含むシニア世代
シニアとは単なる年代であり、多種多様な特性をもった人たちの集合体です。
シニア向けビジネスでは、「どのようなシニアに使ってもらいたいか」を具体的に捉え、その特性や背景を理解することが重要です。
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