建築業界のインクルーシブ事例
エピソード4
Report
:多様なユーザーとの共創プロセスを実現するインクルーシブな公共空間・商業施設事例集

【連載第4回】多様なユーザーとの共創プロセスを実現するインクルーシブな公共空間・商業施設事例集
日本で初インクルーシブデザインによる博物館リニューアル
誰もが歓迎される博物館
徳島県立博物館は徳島市の文化の森総合公園に建設された総合博物館です。1990年の開館以来、四つの理念を持ち、人文科学と自然科学の分野を統合した展示を行ってきました。開館30周年を迎える節目に、「誰もが歓迎される博物館」を目指し、常設展のリニューアルが計画されました。このプロジェクトでは、インクルーシブデザインの手法を取り入れるため、乃村工藝社さんを通じてCollableとの協力でワークショップを行いました。
ワークショップは5月と6月に分けて行われ、7人のリードユーザーが2日間参加し、館長、副館長、および職員(学芸員)も参加し、ワークショップを実施しました。

出典:【実績】インクルーシブデザインによる博物館常設展リニューアル|徳島県立博物館(2019)
本プロジェクトでは、検証と改善を重ねた上で、リードユーザーと共創型のワークショップを実施し、基本設計、施設設計、施工、完成へと、2度のワークショップを通してプロセスを進めていきました。
まず、第1回となる5月のワークショップでは、リードユーザーとともに常設展の現状リサーチを行い、課題の検討を行いました。
続いて、第2回となる6月のワークショップでは、第1回の内容を踏まえ、展示リニューアルに向けたアイデアの創出を行いました。
スケジュールは2019年5月と6月に実施され、参加者には車椅子利用者2名、外国籍の方2名、聴覚障害者2名、視覚障害者1名に加え、職員や関連施設スタッフも参加しました。
ワークショップでは、展示物の展示方法や解説の方法について共同で検討・リサーチを行い、展示リニューアルに向けたアイデア創出が行われました。

出典:画像 【実績】インクルーシブデザインによる博物館常設展リニューアル|徳島県立博物館(2019)より
すべての子どもに開かれた遊び場
シェルターインクルーシブプレイスコパルは、山形市にある子どもの遊びの施設です。国籍や家庭環境、障がいの有無にかかわらず、すべての子どもたちに開かれたインクルーシブな遊び場です。子どもたちの感性を刺激し、自ら発見して遊ぶことを促す施設として設計されています。山形市に本社を置く株式会社シェルターが運営しています。

本プロジェクトでは、基本設計、実施設計、建設期間、開業準備、運営維持管理に至るまでの各フェーズにおいて、創造会議を通じた設計プロセスが実施されました。
創造会議は、設計・施工期間中に計10回実施され、有識者や地域住民、SPCメンバー、市役所担当者などが参加しています。
会議では、BTO方式の採用による民間資金の活用や、運営・維持管理を含むSPCチーム全体での設計関連部分の共同検討が行われました。また、部屋の配置や安全性、インクルーシブな場のあり方について議論が重ねられ、PFI方式における創造的な設計プロセスが実現されました。

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