ジェネレーティブAIの広がりとデザインプロセスへの影響

エピソード1

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    :生成AIが秘めるデザインパートナーとしての可能性とは?

    ジェネレーティブAIの広がりとデザインプロセスへの影響

    【連載第1回】 生成AIが秘めるデザインパートナーとしての可能性とは?


    これからAIの精度や使いやすさはどんどん進化していく中で、AIを恐れるのではなく、どのようにAIを最大限に活用すればよいのかというのはクリエイターの課題です。

    AIの最も大きい1つのメリットは、雑務にかかる時間を節約できることです。機械と一緒に作業することで、クリエイターの作業負担を減らし、戦略的かつ創造的な思考に時間にフォーカスすることができます。

    しかし、単に時間を節約するだけではありません。消費者をより深く理解するためのデータインサイトの提供から、クリエイティブなプロセスを支援するための基本的なアイデアの考案と反復まで、AIは貴重なサポートを提供することができると考えられます。それにより、全体的にクリエイティブなプロジェクトがより質が高く、よりスピーディーに進むようになると予想できます。

    ジェネレーティブAIとは?

    ジェネレーティブAIは、テキスト、画像、またはその他のメディアを生成するAIシステムの一種です。
    これは、プロンプト(指示)に応答して自己生成的に作成されます。この技術の歴史は、1950年代から1960年代に始まりました。当初、研究者は、コンピュータープログラムを使用して簡単なテキストや音楽を生成することに取り組んでいました。しかし、現代のジェネレーティブAIの精度やリアリティは、
    2010年代にディープラーニング技術が台頭してから、大幅に向上しました。

    2022年、アメリカのIT系調査会社であるGartnerは、ビジネスの成長を加速させるための注目すべき技術である戦略的テクノロジートップトレンドをIT Symposium/Xpo™で発表しました。
    その中で、「ジェネレーティブAI」が取り上げられ、一気に注目を浴びることになりました。この発表により、ジェネレーティブAIという言葉が広く知られるようになりました。

    1950年代から現代に至る、生成AI(テキスト、画像、音声など)の進化の歴史をまとめたタイムライン図。ガートナーが発表した「2022年の戦略的テクノロジートレンド」の図。その1つとしてジェネレーティブAIが選出されている。

    一つのサービスがさまざまな種類のモーダル(情報)を同時に処理できるようになったことで、これまでのように適用領域を選ばないマルチモーダルAIが増加しています。ツールが減少することでこれまでより操作が簡略化することや、複数のプロセスを統合することによるワークフローの効率化、コスト削減が考えられます。

    画像からテキストなど単一の入出力を扱うシングルモーダルAIと、画像・音声・テキストなどを統合して扱うマルチモーダルAIの仕組みの比較図

    AIがデザインプロセスに及ぼす影響

    John Maeda氏のデザインテックレポート2023によると、以下の図のようにAIの活用によって本来時間がかかるステップを一気に効率化できるという仮説が立てられています。 短時間でテスト、幅広くソリューション作成、課題の抽出などといった繰り返しになるプロセスを短縮することができることでよりスピーディーでかつ精度の高い検証ができます。それにより、質の高いアウトプットをすることが可能だと考えられています。

    「共感する」「定義する」「創造する」「プロトタイプ」「テスト」の各デザイン工程をAIツールで効率化するプロセス図

    クリエイティブプロセスの効率化

    デザインテックレポート2023によると、クリエイティブプロセスには、多様な角度から影響を与えることができることが示されています。また、AIを活用することで、自分が本当にやりたいことにフォーカスすることができ、やりたくないことをAIに任せることができるという可能性があります。AIがクリエイターたちの新しいツールとしてクリエイティブプロセスに組み込まれ、短期間でより深い制作過程を実現できると考えられています。

    「想像する」「創造する」「振り返り・評価する」「シェアする」の反復プロセスにおいて、AIが生成やテスト、スケッチなどを支援する相関図

    非クリエイターのためのアクセシビリティ向上

    現在、キャラクターのイラストを描く能力を身につけなくても、AIのおかげで魅力的な絵本を作れるようになった時代です。 AIツールの普及、精度や使いやすさの向上などにより、クリエイティブな作業に必要な専門知識は極端に削減され、もはや必要ない場合も多くなってきました。そのため、自己の感情や思いをもとに表現するクリエイティブなアウトプットを生み出す能力が誰でも身につくようになりました。それによって非クリエイターでも、創造的行為を普及させ、創造的なアウトプットを豊富に生み出すことに貢献できると考えられています。また、非クリエイターを巻き込み、共創することも可能になります。

    AIが9割作画した絵本「りんご姫」の表紙、中面のテキスト画面、およびファンタジー調の男の子が描かれた挿絵

    創造性の向上

    近年、デザインの上流工程をサポートするAIツールが増えていて、課題へのアプローチ、アイデアの開発、成長の促進を、より細かく、より効率的に行うことができるようになりました。そのため、市場調査、ペルソナ設計やリサーチなどの時間を節約できることでクリエイターたちはより創造的な思考の時間にフォーカスすることができます。それにより、クリエイティブなプロセスを再構築し、創造性を向上することで新たな機会や価値、そして成長を生み出すことができると考えられています。

    デザインの上流工程をAIが支援し、創造的思考への集中と創造性向上につながることを示した図

    まとめ

    AIの急速な進化にともない、クリエイティブプロセスも徐々に変化しつつあります。
    ジェネレーティブAIの活用によって、これまで時間を要していた作業を効率化し、短時間で質の高いアウトプットを生み出せるようになっています。また、専門的なスキルを持たない非クリエイターでも、アイデアを形にしやすくなり、表現の幅も広がっています。さらに、デザインの上流工程を支援するAIツールの増加により、クリエイターはより創造的な思考に時間を使えるようになりつつあります。

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