ヘルスケアアプリの継続を促す工夫の事例

エピソード3

    Report

    :注目が高まるヘルスケアアプリ事例集

    ヘルスケアアプリの継続を促す工夫の事例

    【連載第3回】注目が高まるヘルスケアアプリ事例集


    先の研究結果のように、デジタルヘルスにおいて、ユーザーの継続利用を促進することが大きな課題の1つとなっています。
    多くのヘルスケアアプリが初期の関心を引くものの、長期間にわたって利用を続けるユーザーは限られています。
    ここでは、ユーザーがアプリを継続して利用するための工夫を取り入れているヘルスケアアプリの事例を紹介します。
    これらの事例を通じて、効果的なUXデザインやユーザーエンゲージメントの戦略について考察し、デジタルヘルスケアの分野での継続利用を促進するためのヒントを提供します。

    ヘルスケアアプリの継続を促す工夫の事例

    ZRX: Zombies, Run
    ランニングアプリ

    ゾンビアポカリプスの世界でのサバイバルをテーマに、フィットネスを楽しく続けられるよう設計されたランニングアプリです。ストーリーテリング、インタラクティブなミッション、ゾンビチェイスモード、資源管理、ソーシャル要素、ユーザーのフィットネスレベルや目標に応じたカスタマイズが可能なトレーニングプランなど、多くのゲーミフィケーション要素が盛り込まれており、ユーザーが飽きずにランニングを楽しめるよう工夫されています。

    ZRXのランニング継続を促す画面例

    Walkr
    歩数系アプリ

    歩行を楽しく継続するために設計されたフィットネスアプリです。
    宇宙探検をテーマにした魅力的なストーリーと、エネルギー収集、ミッション、惑星の開発、フレンド機能、チャレンジとバッジ、カスタマイズ可能なアバターなど、多くのゲーミフィケーション要素が取り入れられています。
    これにより、ユーザーは楽しみながら日々の活動量を増やし、健康的なライフスタイルを維持することができます。

    Walkrの歩行継続を促す画面例

    Plant Nanny
    水分摂取量をトラッキングするアプリ

    ユーザーが日常的に十分な水分を摂取する習慣を身につけるためのアプリです。
    ユーザーが飲んだ水の量に応じて仮想の植物を育てる、新しい植物を育てることでコレクションを増やす、他のユーザーと植物の成長状況を共有したり友達と一緒にチャレンジをクリアしたりするなど、多くのゲーミフィケーション要素が取り入れられています。

    Plant Nannyの水分摂取習慣を促す画面例

    SleepTown
    規則的な睡眠習慣を作るアプリ

    ユーザーが毎晩決まった時間に寝て、決まった時間に起きることを促進するために設計されたアプリです。
    ユーザーが設定した就寝時間に寝ると、朝起きたときにアプリ内で新しい建物が完成します。建物は様々な種類が用意されており、ユーザーはそれらを収集して自分だけの街を作り上げます。
    特定の期間中に連続して目標を達成するチャレンジモードもあり、成功すると特別な建物や報酬を得ることができます。

    SleepTownの睡眠習慣づくりを促す画面例

    RUN Crew
    ランニングアプリ

    ギルド(チーム)に参加して、他ギルドと競い合うチーム対抗型のアプリです。ランニンググループの作成と参加、バーチャルランニングイベント、ランキングとリーダーボード、経験豊富なランナーやコーチからのアドバイスやトレーニングサポートなど、多くのコミュニティ要素が取り入れられています。
    地域ごとのコミュニティイベントやグループランをアプリ内で告知し、近隣のランナーと実際に会って一緒に走る、リアルなつながりの機会も提供しています。

    RUN Crewのチーム参加を促す画面例

    バランス日記
    食生活チェックアプリ

    ユーザーが食事を管理し、バランスの取れた栄養摂取をサポートするためのアプリです。日々の食事の記録をつけることで、不足しがちな食品群が分かります。
    BMIのチェックや簡単なフレイルチェックもできます。「食べ友」機能で家族や友人と10食品群のチェック状況を共有できます。地域での栄養指導・支援等のような自治体や施設、グループでの利用に便利な管理画面機能もあります。

    バランス日記の食生活チェック画面例

    みんチャレ
    習慣化アプリ

    ユーザーは最大5人までのチームを組んで、共通の目標に向かってチャレンジを行います。運動、ダイエット、睡眠、禁煙など、ヘルスケア関連でもさまざまな目標のチームがあります。
    チームメンバーとのチャット機能があり、日々の進捗や成果を報告したり、アドバイスを交換したり、励まし合いながら目標達成を目指すことで、継続するモチベーションが高まります。

    みんチャレの習慣化を支える画面例

    ゆるっぷる
    ダイエットアプリ

    体重を記録し、夫婦やカップル、友人同士などパートナーと成果を共有し励まし合うアプリです。
    相手には体重の絶対値は見えず、記録した当初の体重からの差分で共有・比較することができます。直接コミュニケーションを取ることができるチャット機能もあり、例えば、今日は何を食べたかを報告しあってヘルシーなメニューを知ることができたり、新しいダイエット方法を知ることができます。

    ゆるっぷるのダイエット継続を支える画面例

    Charity Miles
    フィットネスアプリ

    ユーザーが歩いたり、走ったり、自転車に乗ったりすることで、スポンサーから寄付が提供され、選択した慈善団体に寄付することができるフィットネスアプリです。
    距離に応じて寄付金が増え、ユーザーは日々の運動が社会貢献につながることを実感できます。アプリ内には健康、教育、環境保護、動物福祉など、さまざまな分野のチャリティが含まれています。

    Charity Milesの運動と寄付をつなぐ画面例

    Vizer
    フィットネスアプリ

    ユーザーが10,000歩歩くか30分間の運動を行うか、パートナーのスタジオでクラスを受けることで、Vizerのパートナー企業が食事を提供し、食料を必要とする人々に届けられます。
    アプリはスポンサー企業や地域のフードバンク、国際的な食料支援団体と提携しており、ユーザーの運動による寄付が確実に行われる仕組みが整っています。
    ユーザーはアプリ内で自分の運動がどれだけの寄付につながったか、どれだけの食事が提供されたかを確認することができます。これにより、日々の運動が具体的にどのように社会に貢献しているかを実感することができます。

    Vizerの運動による食事支援の画面例

    かわさきTEKTEK
    ウォーキングアプリ

    ユーザーが歩いてアプリ内で貯めたポイントを応援したい川崎市立の小学校(小学部のある特別支援学校を含む)から選んで寄附することができます。
    学校では寄附されたポイント数に応じた応援金を市から受け取り、子ども達の学校生活を充実させるために活用します。
    身近な地域社会に貢献できることがユーザーの継続利用に繋がります。

    かわさきTEKTEKの歩数による学校応援の画面例

    Forest
    スマホ依存対策アプリ

    ユーザーが設定した時間スマホを使用しないことで仮想の木が育ちます。仕事や学習の効率が向上するだけでなく、眼精疲労や睡眠の質の向上などもメリットが期待できる他、スマホから距離を置くことで、インターネットやSNSからの過剰な情報摂取が減り、精神的なストレスの軽減にもつながります。
    アプリ内で貯めた「Forestコイン」を使って、実際の植樹活動に寄付することで、環境保護活動に直接貢献することができます。

    Forestのスマホ利用抑制と植樹支援の画面例

    まとめ

    本記事では、ゲーミフィケーションやコミュニティ、社会貢献といった要素を取り入れたヘルスケアアプリの事例を紹介しました。これらの事例から、継続利用を促すためには、単なる機能にとどまらず、ユーザーが楽しさやつながり、意味を感じられる体験設計が重要であることが分かります。
    ヘルスケアアプリにおいて継続率を高めるためには、ユーザーの内発的動機づけを引き出すUXデザインが、今後ますます重要になるといえるでしょう。

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