アクセシビリティへの取り組み方
エピソード4
Report
:教育機関におけるアクセシビリティ対応状況 首都圏の大学における調査レポート

【連載第4回】 教育機関におけるアクセシビリティ対応状況 首都圏の大学における調査レポート
アクセシビリティの課題の傾向
デザイン面における、アクセシビリティの課題の傾向
多くの大学のウェブサイトで、文字と背景色の色の組み合わせが十分なコントラスト比(4.5:1)を満たしていないという指摘が見られました。
コントラストが十分でない場合、視覚に障害を持つ人にとって見づらく、読みづらいものとなってしまいます。
一方で、色の組み合わせの課題のみが指摘されている企業も多く、正しい色の組み合わせに変更をすることで改善が見込まれるため、アクセシビリティの改善として取り組みやすい課題とも言えます。

マークアップ・アクセシビリティ
マークアップ・構造におけるアクセシビリティの課題があげられた大学が多く見られ、特にリスト部分(ulタグやolタグ、liタグ)の文法が正しくないという指摘が多くありました。
正しくマークアップがされていない、または構造化されていない場合、支援機器(例えばスクリーンリーダーなど)が正確に情報を把握することができず、利用者が情報を知ることができなくなってしまいます。
実装面の見直しが必要になりますが、どのようにすれば改善されるかが明確で、比較的対応はしやすい課題ではあります。

ラベル(altテキストなど)におけるアクセシビリティの課題の傾向
ラベル(altテキストなど)におけるアクセシビリティの課題があげられた大学が多く見られました。
特に、画像の代替テキスト(altテキスト)やボタンにラベルが設定されていない課題が多くあげられました。
画像に代替テキストがなかったり、ボタンにラベルが設定されていないと、支援機器(例えばスクリーンリーダーなど)が画像の情報について読み上げることができなかったり、何が起こるボタンなのか利用者が把握することができなくなってしまいます。
画像に適切な代替テキストを作成したり、ボタンのラベルを見直すなど、方針を決めて対応を進めていく必要があります。

やさしいデジタルを、当たり前に情報保障から、体験保障へ
インクルーシブなサービスを実現するためには、多様な人々と共創しながら、アクセシブルな設計をしていくことが必要です。
これまでのアクセシビリティは、主に「情報にアクセスできること」を重視した情報保障の観点で語られることが多くありました。しかし、デジタルサービスが普及した現在では、単なる情報取得ではなく、サービスそのものを使いやすくする「体験保障」の観点が重要になります。

CULUMUのアプローチ
CULUMUでは、独自の2つのアプローチで、アクセシブルなウェブサイトを実現します。
①Webアクセシビリティ評価項目による、基準に基づいた評価
Webアクセシビリティに関する世界的な基準にもなっているWCAG(Web Content Accessibility Guidelines)の評価項目に則り、Webアクセシビリティの評価を行います。
診断ツールだけではなく、実際にスクリーンリーダーや画面拡大等の支援技術を使った検証もおこない、基準に基づいた評価と改善を行います。
②リードユーザーによる定性的な評価
障害当事者の方や高齢者の方に実際に操作してみてもらい、課題点、改善点の抽出を行います。ツールや一般的な基準だけでは判別できない実際の当事者の声を取り入れることで、より実態に即した、実用的なものとすることができます。
これらのアプローチを取り入れたCULUMUのアクセシビリティには、3つのメリットがあります。
すべてのユーザーが利用できる環境で価値を最大化
高齢者や障害者など、様々な人々にプロダクト・サービスを利用してもらいやすくなります。当事者のフィードバックでより実用的なプロダクト・サービスへ
NPOネットワークを活かした、リードユーザーからの実態に基づいたフィードバックと改善を受けられます。デザインから開発まで一気通貫で支援
多様な人々と共創するインクルーシブデザインで生み出されたプロダクト・サービスを、多くの人に届けられるように開発まで含めて、一気通貫で取り組むことができます。
プロジェクトでの取り入れ方
新規サービス構築のケース
情報設計や画面デザインを検討している段階から、アクセシビリティを考慮した設計を行います。実装をおこない、出来上がったものに対して基準に基づく評価やリードユーザーによるチェックを行います。リリース前に改善をおこない、様々な人々が分け隔てなく利用ができるサービスとします。
また、オプションとしてアクセシビリティ試験の実施とその結果の公表もおこなうことも可能です。

既存サービスの改善のケース
すでにあるサイトやサービスに対して、アクセシビリティ評価、リードユーザーへのヒアリングを行います。そこで明らかになった課題をもとに、改善案を検討し、サービスの改善を行います。
また、オプションとしてアクセシビリティ試験の実施とその結果の公表もおこなうことが可能です。

まとめ
これまでの分析・調査から、大学におけるアクセシビリティ対応の課題の傾向が見えてきました。
そうした課題を踏まえ、本記事ではCULUMUとしてどのようなアプローチで取り組んでいるのか、また実際のプロジェクトの中でどのように取り入れているのかを紹介してきました。
アクセシビリティ対応は、一度対応して終わりではなく、継続的に見直していくことが重要です。調査で見えてきた課題を出発点として、実際の取り組みへとつなげていくことで、より多くの人にとって使いやすい環境が広がっていくと考えられます。
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