超高齢化社会におけるスマホ利用の現状

エピソード1

    Report

    :超高齢社会に優しいデジタルを。デザイン事例集「中国から学ぶtoC新規事業開発とは」

    超高齢化社会におけるスマホ利用の現状

    【連載第1回】超高齢社会に優しいデジタルを。デザイン事例集「中国から学ぶtoC新規事業開発とは」


    インクルーシブとは

    多様な人に優しい
インクルーシブデザインとは?
    インクルーシブデザインとは、ユーザーを中心としたデザインです。能力、言語、文化、性別、年齢、その他の人間の差異を含む人間の多様性をデザインプロセスの一部として考慮します。インクルーシブデザインはイノベーションを生み、新しい市場を開拓し、顧客や市民とより豊かな関わりを生み出します。
    CULUMUでは、高齢者や障害者、外国人やマタニティなどのリードユーザーとの共創型のデザインにより人に優しいデジタルと事業機会を創出します。
    多様なユーザーとともにつくる包括的なスマートフォンアプリこそが、新たな価値を生み出します。

    超高齢化社会におけるスマホ利用の現状とは?

    高齢者を包摂するスマホアプリの必要性

    超高齢化社会を迎えようとしている日本において、高齢者に配慮したデジタルサービスはますます重要になっています。
    高齢者にとって使いづらいデジタルサービスは、高齢者の不満を招くだけではなく、企業にとっても機会損失につながります。
    高齢者の視点で使いたくなるスマホアプリの体験を追究することは、実は若者など幅広い人たちにとってもうれしい体験につながる可能性があります。

    高齢者を含む多様なユーザーと共につくるスマホアプリの概念図

    令和5年版、高齢社会白書による試算では、2035年までに高齢者(65歳以上)の人口が3割を超えるといわれています。これは端的にいって3割のユーザーが高齢者になることを意味しています。世代別金融資産においても無視できないセグメントである高齢者に対する施策として、高齢者間のデジタル格差、PC・スマートフォンの利用比率などを考慮したインクルーシブな取り組みが求められています。

    2035年に日本人の約3人に1人が高齢者になる推計

    出典:内閣府「令和4年版 高齢社会白書」(2022)

    日本における高齢者のスマホ所持率は年々増加しています。モバイル社会研究所の調査によると、2022年時点での高齢者のスマホ所有率は60代で90%を超え、70代でも70%に達しています。
    また、3Gのサービスの終了の影響もあり、多くのシニアがフィーチャーフォンからスマートフォンに移行しています。
    今後は、高齢者もスマートフォンを使いこなす時代になると言えるでしょう。

    60代と70代のスマホ所有率が2015年から2022年にかけて上昇した推移

    その一方で、高齢者のスマートフォン利用率は、依然として低い傾向にあります。スマートフォンを「よく利用している」と回答した60代で約55%、70代以上では約25%にとどまっています。
    また、自分の生活に必要ないと感じていたり、使い方がわからない高齢者が多く、スマートフォンを持っていても持ち歩いていなかったり、電源の切れた状態で放置されているなどのケースも少なくありません。

    スマホ等をよく利用する割合は60代55.5%、70歳以上24.3%に低下

    日本の行政サービスにおけるスマホアプリの活用

    スマートフォンの普及やデジタル化の促進に伴い、「新型コロナワクチン接種証明書アプリ」や「マイナポータルアプリ」など、行政サービスにおいてもスマホアプリが活用されるようになりました。「誰一人取り残されないデジタル化」に向けて、高齢者にとっても使いやすいスマートフォンアプリの必要性が高まっているといえます。

    行政サービスで活用される接種証明書アプリとマイナポータルアプリの画面例

    出典:デジタル庁公式note、出典:Impress Watch

    その一方で、高齢者のスマホアプリの活用には、依然として課題が残っています。例えば、マイナンバーカードのオンライン申請では、基本的なスマホの操作ができず申請ができない高齢者が多くみられました。また、マイナポイントプログラムでは、申請期限間際に駆け込み申請が殺到し、混雑が生じたため、申請期限が延長されました。
    高齢者の多くはスマートフォンの操作に不慣れで、基本的な機能しか使えないため、オンライン申請に混乱が生じました。申請サイトへのアクセスや必要な情報提供に課題があり、一部の高齢者はマイナポイントプログラム自体について理解が不足しており、マイナカードの取得だけでポイントが自動的に付与されると誤解していたことも明らかとなりました。また、申請自体を諦める人も見られ、オンライン申請は高齢者などにはハードルが高いことが明らかになりました。
    マイナカードの申請窓口では、駆け込み申請による待ち時間が増加し、支援窓口ではスタッフを増員して対応しました。専門家は、高齢者が1人でオンライン申請を行うことは難しいと指摘し、自治体などへの相談を呼びかけました。

    出典:産経新聞(2023) マイナカードのオンライン申請に悪戦苦闘 高齢者にハードル、諦める人も

    国が後押しするUX戦略

    近年では、デジタル庁による「誰一人取り残されないデジタル社会」の実現に向けUX・アクセシビリティの向上が国策として掲げられました。各省庁や自治体横断の行政サービスを構築しつつ、地域の課題や多様な人にとって価値のある体験をデザインすることが様々な範囲に広がっていくと予想されます。

    デジタル庁が掲げるUX・アクセシビリティ向上の方針
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