バンキングアプリのプロトタイプ

エピソード5

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    :商品開発から見えたシニア・高齢者と共創するガイドラインとは

    バンキングアプリのプロトタイプ

    【連載第5回】 商品開発から見えたシニア・高齢者と共創するガイドラインとは


    インタビューでは、「使い方を知りたいのに、教えてもらえる機会がなかなかない」という声や、「スマートフォンアプリは若者向けなので、使えなくても仕方がない」といった諦め、「文字が見づらい」「言葉の意味がわかりづらい」といった使用する上での不安などの課題が浮き彫りになりました。

    これらの課題をもとに、シニア世代でも安心して利用できるデジタルバンキング体験を目指し、プロトタイプを作成しました。

    以下では、実際の画面とともに、どのような工夫を行ったのか、またそれぞれがどの課題に対応しているのかを紹介します。

    バンキングアプリのプロトタイプ

    情報量を極力少なく、シンプルに

    情報の表示や選択肢を3つに絞ることで、視覚的な負担を軽減しました。
    また、主要な機能にすぐアクセスできるようにすることで、迷わず操作できる設計としています。

    この工夫は、「メニューが複雑で、振込機能がどこから使えるのか分からない」といった課題に対応しています。

    情報量を減らし、残高・振込・請求書支払いに絞ったバンキングアプリの改善例

    音声で情報を検索できる

    SiriやAlexaのように、必要な情報や機能に簡単にアクセスできるよう設計しています。ユーザーは話しかけるだけで、質問への回答を得たり、必要なタスクを実行したりすることが可能です。これにより、ボタンのクリックや複雑な操作といった負担を軽減し、ストレスの少ない利用体験を実現します。

    この工夫は、「操作が複雑で、どうやったらやりたいことができるのかわからない」といった課題に対応しています。

    マイクボタンから質問し、音声で必要な機能にアクセスする画面例

    タイトルを質問文にする

    画面のタイトルを質問文にすることで、ユーザーが次に取るべき行動を直感的に理解できるよう工夫しています。

    能動的に問いかける表現にすることで、ユーザーにアクションを促し、迷いを減らす設計としています。

    この工夫は、「この画面で何をすれば良いのかがよく分からない」といった課題に対応しています。

    「どこに振り込みたいですか?」と問いかけ、振込先を選びやすくした画面例

    振込先を事前に登録できるようにする

    振込先を事前に登録できる機能を設けることで、よりスムーズな振込体験を実現しています。
    一度登録した振込先や過去の履歴が残るようにすることで、都度振込先を確認し入力する手間を減らし、負担の軽減を図りました。

    この工夫は、「いつも同じような振込先に振り込むが、口座番号の入力が大変」といった課題に対応しています。

    新しい振込先や過去の振込先、金融機関を選びやすくした振込先選択画面

    1画面に1アクション

    1画面につき1つのアクションに限定することで、誤操作のリスクが低減されます。
    一度に複数の操作を求めない設計とすることで、情報の処理負荷を軽減しています。シニア世代は、情報量が多く複雑なタスクが続くと、集中力の維持が難しくなる場合があるためです。

    この工夫は、「いろいろなことを聞かれて、この画面で何をすればいいのか分からず混乱してしまう」といった課題に対応しています。

    支店名入力から口座番号入力へ、振込手続きを1アクションごとに段階的に進める画面例

    操作結果に対するフィードバックを明確に

    操作結果に対して明確なフィードバックを返すことで、シニア世代の不安を軽減することを意識しました。
    特に、振込の状況や結果を分かりやすく表示することで、正しく操作できたかどうかを把握しやすくし、安心して利用できるようにしています。

    この工夫は、「正しい宛先と金額で振り込めたのかよく分からず、ちゃんと振り込めたのか不安になる」といった課題に対応しています。

    振込完了後に金額・相手・状態を大きく表示し、操作結果を確認しやすくした画面

    数字の打ち間違い防止

    数字の打ち間違いが起きないように、数字の入力と同時にルビを表示させるようにしました。

    この工夫は、「桁間違いや押し間違いをしないように気をつけながら入力しないと不安」といった課題に対応しています。

    入力した金額の数字に読み方を添え、桁間違いを防ぐ振込金額の入力画面例

    まとめ

    本記事では、シニア世代へのインタビューで明らかになった課題をもとに、デジタルバンキングのプロトタイプにおける工夫を紹介しました。
    「操作が分からない」「使いこなせる自信がない」「見づらく不安になる」といった声に対して、情報の提示方法の工夫や単純化、操作を段階的に分ける、音声によるサポート、入力ミスを防ぐ設計、操作結果の明確なフィードバックなど、複数の観点からアプローチを行っています。
    シニア世代にとっての使いやすさとは、単なる操作性の向上ではなく、不安や迷いを取り除く設計が重要になります。

    今後のサービス設計においても、機能を追加するだけでなく、ユーザーがどのように感じ、どこでつまずくのかを丁寧に捉えながら、誰もが安心して利用できる体験を実現していくことが重要です。

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