D&I実践企業の事例(前編)
エピソード2
Report
:D&Iの取り組みから広がるインクルーシブデザイン事例集(全50ページ)

【連載第2回】D&Iの取り組みから広がるインクルーシブデザイン事例集(全50ページ)
ファーストリテイリングの事例
ファーストリテイリングでは、「MADE FOR ALL」をコンセプトに、世界中すべての人を対象にした服(LifeWear)を提供しています。そのためには、多様な人々の多様な価値観と、それを受け入れる寛容性が必要になるという考えのもと、"GENDER"、"GLOBAL ONE TEAM"、"DISABILITIES"、"LGBTQ+" の4つの重点領域を設定し、D&Iに取り組んでいます。
D&Iの取り組みは、職場環境の改善や外部評価の向上だけでなく、製品・サービス開発にもつながっています。ここでは、ファーストリテイリングの事例を、「職場づくり」「外的評価」「プロセス・イノベーション」「プロダクト・イノベーション」の観点から紹介します。

多様な人が働きやすい職場づくり
ファーストリテイリングは、全世界で10万人以上の従業員が働いています。また、難民雇用プログラムを導入し、多様な人が働ける職場づくりを行なっています。ジェンダーに関する取り組みとして、女性活躍推進の取り組みに加え、同性とのパートナーシップ制度を設けています。さらに「1店舗1名以上の障がい者を雇用する」という目標を掲げ、ほぼ達成するなど、障害者雇用も積極的に進めています。
こうした取り組みにより、多様な人が働きやすい職場環境づくりを実現しています。

D&Iアワードで最高評価を獲得
ファーストリテイリングは「D&Iアワード2022」で最高評価の「ベストワークプレイス」に認定されました。ダイバーシティスコア96点を獲得し、個性を尊重し平等な職場環境を実現する取り組みが評価されました。D&Iアワードは、企業のダイバーシティに取り組む姿勢を評価する指標であり、「ジェンダー」「LGBT」「障害」「多文化共生」「育児・介護」の5つの項目で企業の取り組みを評価します。ベストワークプレイス認定は、D&I推進に積極的に取り組んでおり、個々の社員がD&Iの理念を実践し、サービスや事業、企業組織全体に波及させている企業に与えられます。

バリアフリーな店舗づくり
ユニクロでは、障害のある方がより快適に買い物ができるよう、お客様や店舗スタッフの声を取り入れながら店舗設備やオペレーションなどの改善を重ねています。
車いすごと入ることができるバリアフリーなフィッティングルームや、店舗のバリアフリー設備(入り口の段差のなさ、広い通路、バリアフリー対応トイレ)、セルフレジに常に店員が配置されるなどの配慮がされています。また、ユニクロの一部店舗では障害者専用の営業時間を設けています。

前あきのシャツ・下着の開発
ファーストリテイリングでは、多様な人々の声を取り入れながら商品開発も進めています。
前面にマジックテープやボタンがあるため、入院・通院者、乳がん手術後、障害者、高齢者など、従来のかぶりのインナーが脱ぎ着しづらい人でも着やすいインナーを開発しました。
ユニクロでは、数々の医療機関や施設を訪れながら現場の方の声を聞き、商品開発を進めました。

ソニーの事例
パーパスに基づいたサステナビリティ戦略・アクセシビリティ戦略
ソニーグループは、「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」ことをパーパスとして掲げています。
パーパスを基軸に、サステナビリティ戦略を「感動に満ちた世界を、次世代へ。」、アクセシビリティ戦略を「誰もが感動を分かち合える未来を、イノベーションの力で。」と策定しています。

一人ひとりの個性が、ソニーをつくる
ソニーグループでは、人材領域において "Special You, Diverse Sony" というメッセージを掲げています。一人ひとり異なる個性を持つ社員が挑戦し、そうした個を受け入れる場であるソニーとなることで、相互成長作用を起こせると考えています。
ソニーグループでは、障害者、介護中の社員、女性、LGBTQ+などさまざまな社員が働きやすく、個を発揮できる職場づくりを進めています。

LGBTQ+の働きやすさで最高評価を受賞
日本の任意団体であるwork with Prideは、LGBTQ+の人々が働きやすい職場を作るための指標として「PRIDE指標」を策定しました。
ソニー株式会社は、ダイバーシティとエクイティ&インクルージョンを重要課題とし、2021年と2022年にPRIDE指標の最高評価であるゴールドを受賞しました。ソニーは多様性を尊重し、クリエイティビティを生かすために、LGBTQ+や他の多様な要素に配慮した職場環境の実現に取り組んでいます。
その他にも、サステナビリティに関する多くの国内外の外部表彰を受賞し続けています。

全商品で障害者・高齢者に配慮したデザインへ
ソニーは、2025年までにすべての商品やサービスを障害者や高齢者に配慮した仕様にする計画を発表しました。
開発段階で障害者の意見を取り入れ、使いやすさを向上させるためにリモコンのボタンを減らし、形状を工夫します。さらに、障害者の意見を開発に関する社内規則に盛り込むとともに、インクルーシブデザインを推進するために役職を増員します。
ソニーは「アクセシビリティ」と呼ばれる障害者や高齢者への配慮を重視し、テレビや音響機器、カメラ、スマートフォンなどの主要商品に対応する予定です。
これにより、10億人を超える障害者市場に対応するだけでなく、企業のブランド力向上にも寄与することが期待されています。

感動をもたらすOTC補聴器
補聴器は人の声に特化しており、まだ課題が多いとされており、その低い使用率は社会課題の1つとされています。
ソニーはヘッドホンやオーディオ技術を活用し、新たなアプローチの補聴器を開発するプロジェクトとして、セルフセッティングタイプのOTC(over the counter)補聴器の開発に取り組みました。
補聴器の低い使用率には、補聴器に対する嫌悪感や装用の煩わしさ、高価格などが要因として挙げられています。ソニーはユーザーの声を重視し、補聴器の形状やデザイン、パッケージや広告にも工夫を凝らして、補聴器のネガティブイメージを解消する商品を発表しました。

まとめ
ファーストリテイリングとソニーの事例からは、D&Iの取り組みが職場づくりや外的評価の向上だけでなく、製品・サービス開発や顧客体験の向上にもつながっていることが分かります。
多様な人々の声を取り入れることは、新たな価値創出やイノベーションにつながる可能性を持っています。
ジャーナルトップへ
Contact
お問い合わせ
お気軽にご相談ください。お見積もり依頼も可能です。1営業日中にご返信いたします。
お問い合わせをする
Service introduction
サービス紹介資料
CULUMUが提供するインクルーシブなデザインソリューションをご紹介しています。ぜひご活用ください。
資料をダウンロードする





