D&Iが求められる背景
エピソード1
Report
:D&Iの取り組みから広がるインクルーシブデザイン事例集(全50ページ)

【連載第1回】D&Iの取り組みから広がるインクルーシブデザイン事例集(全50ページ)
多様な人に優しい
インクルーシブデザインとは?
インクルーシブデザインとは、ユーザーを中心としたデザインです。能力、言語、文化、性別、年齢、その他の人間の差異を含む人間の多様性をデザインプロセスの一部として考慮します。インクルーシブデザインはイノベーションを生み、新しい市場を開拓し、顧客や市民とより豊かな関わりを生み出します。
CULUMUでは、高齢者や障がい者、外国人やマタニティなどのリードユーザーとの共創型のデザインにより人に優しいデジタルと事業機会を創出します。
インクルーシブな社会と企業成長の関係
近年、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)への注目が高まっています。D&Iは単なる人事施策や社会貢献活動ではなく、企業の競争力やイノベーション創出にも関わる重要なテーマとして位置づけられています。
本記事では、D&Iが求められる背景と、企業にとってどのような価値をもたらすのかについて紹介します。
インクルージョンに向けた国家的な動き
インクルージョンの起源は、1980年代に欧州で生まれたとされています。1970年代以降、フランスをはじめとし、移民増加や長期的失業により社会的に排除(エスクルージョン)された人の包摂(インクルージョン)を目指す概念として普及しました。
日本では2000年に発表された「社会的な援護を要する人々に対する社会福祉のあり方に関する検討会」報告書のなかで、全ての人を社会の構成員として包み支え合うソーシャル・インクルージョンの重要性が提言されています。
最近の動向として、日本政府が発表した2022年度版の「経済財政運営と改革の基本方針」(通称「骨太の方針」)では、「包摂社会の実現」が重要課題として位置づけられています。子どもや女性、障害者、性的マイノリティの抱える社会課題の解決自体が付加価値を生み、日本の成長につながると述べられています。

企業がD&Iに取り組む4つのメリット
経済産業省は、ダイバーシティ経営の効果として「プロセス・イノベーション」「プロダクト・イノベーション」「職場内効果」「外的評価の向上」の4つの効果が得られるとしています。

多くの企業が「職場内効果」「外的評価の向上」を目指してD&Iへの取り組みを進めていますが、「プロダクト・イノベーション」までつなげることが大切です。
企業においてD&Iが重視される背景
2035年までに日本人の約3分の1が高齢者に
令和5年版高齢社会白書による試算では、2035年までに高齢者(65歳以上)の人口が約3割になるといわれています。2021年に改正された高年齢者雇用安定法では、70歳までの就業機会の確保が努力義務とされ、高齢者でも働きやすい職場づくりや高齢者に寄り添ったサービスづくりが求められています。

2022年までの10年間で外国人労働者は約3倍に
令和4年の「外国人雇用状況」によると、2022年の外国人労働者数は約180万人にのぼり、この10年で外国人労働者数は約3倍に増加しています。
外国人にとっても働きやすい職場やサービスづくりがますます求められています。

出典:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ 厚生労働省(2023)
就職先のD&Iを重視するミレニアル世代は約80%
経済産業省によると、就職先を選定する際に企業の「多様性や受容性の方針」を重視するミレニアル世代は80%近くおり、特に女性はその傾向が強いようです。
多様な人材を確保するためには、D&Iに取り組み、対外的に発信していくことが大切だと言えます。

出典:「ダイバーシティ2.0 一歩先の競争戦略へ」 経済産業省(2020)_Internet Archive
ダイバーシティとイノベーションは相関性があるのか?
Harvard Business Reviewによると、8カ国1,700社を対象に管理職のダイバーシティを6要素(性別、年齢、出身国、キャリアパス、他の業界で働いた経験、学歴)で測定した結果、対象国全てで、ダイバーシティとイノベーションの成果との間に統計的に有意な関係があることが明らかになりました。また、総合的なダイバーシティが平均以上の企業は、収益に占めるイノベーションの割合が平均19%、税引前利益が平均9%高くなっています。

出典:「組織の多様性はどこで、どのように業績を高めるのか」 ダイヤモンド・オンライン
また、15カ国1,000以上の大企業を対象としたMcKinseyの調査によると、2019年の分析では、経営陣のジェンダーダイバーシティが上位4分の1に属する企業は、下位4分の1に属する企業よりも平均以上の収益性を持つ可能性が25%高く、その差は年々広がっています。(Bottom quartile)
また、民族・文化的ダイバーシティの場合、2019年には、上位4分の1の企業が下位4分の1の企業を収益性で36%上回っており、その差はジェンダーダイバーシティよりも大きくなっています。(Top quartile)

出典:“Diversity wins:How inclusion matters” McKinsey & Company
誰一人取り残されない社会の実現
D&Iの取り組みを進めることの効果は、従業員や職場環境の満足度や外部評価の向上だけではありません。社内に多様な視点を持つことで、より競争力の高い製品・サービスの提供にも繋がります。

まとめ
D&Iの取り組みを進めることの効果は、従業員や職場環境の満足度や外部評価の向上だけではありません。社内に多様な視点を持つことで、より競争力の高い製品・サービスの提供にもつながります。
次回は、D&Iの取り組みからイノベーティブな製品・サービスを生み出している企業事例を紹介します。
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