ますます多様化する社会
エピソード1
Report
:サスティナブルな食品業界を実現するインクルーシブな取り組み事例集

【連載第1回】 サスティナブルな食品業界を実現するインクルーシブな取り組み事例集
すべての人を包み支え合うインクルーシブな社会の実現へ
インクルージョンの起源は、1980年代に欧州で生まれたとされています。
1970年代以降、フランスをはじめとし、移民増加や長期的失業により社会的に排除(エスクルージョン)された人の包摂(インクルージョン)を目指す概念として普及しました。
日本では2000年に発表された「社会的な援護を要する人々に対する社会福祉のあり方に関する検討会」報告書のなかで、すべての人を社会の構成員として包み支え合うソーシャル・インクルージョンの重要性が提言されています。
最近の動向として、日本政府が発表した2022年度版の「経済財政運営と改革の基本方針」(通称「骨太の方針」)では、「包摂社会の実現」が重要課題として位置づけられています。
子どもや女性、障害者、性的マイノリティの抱える社会課題の解決自体が付加価値を生み、日本の成長につながると述べられています。
ベジタリアンやヴィーガンの訪日外国人
ベジタリアンやヴィーガンの訪日外国人は、増加しています。2023年全訪日旅行者(約2,506万人)に 占める訪日ベジタリアン・ヴィーガンの構成比率は約5.1%(約128万人)と推計されています。
これは、全飲食における外国人消費(1兆1,957億円)の約5.1%をベジタリアン・ヴィーガンが構成する計算となり、2023年の訪日ベジタリアン等による推計年間飲食費は約609億円と推計されます。

出典:飲食店等における外国人ベジタリアン・ヴィーガン対応ガイド 国土交通省観光庁(2020) Internet Archive
広がる食の多様性
世界のグルテンフリー市場は、アメリカや欧州を中心に拡大し、2024年には約100億USドルに達する見込みです。グルテンフリーは元々アレルギー患者食としての位置付けでしたが、2002年頃から健康志向の消費者にも広まりました。また、2021年度のプラントベースフード市場は約340億円で、2025年度には730億円に拡大すると予測され、エシカル消費が成長を後押ししています。

購買行動の着実な変化
社会購買・社会行動実践度という項目において10代と70代は、社会購買実践度と社会行動実践度が高く、特に10代では「環境や社会のために寄付される商品を買う」という行動が約5割に達しています。これらの年代は、買い物を通じて社会や環境に貢献することに高い意識を持っており、持続可能な商品やサービスを選ぶ傾向があります。

まとめ
社会はますます多様化し、それに伴って価値観やニーズも広がり続けています。こうした変化の中で、すべての人が利用しやすいサービスや体験を考える「インクルーシブデザイン」の重要性は、これまで以上に高まっています。
次の記事では、こうした社会の変化を踏まえ、食品業界においてなぜインクルーシブデザインが求められているのかについて見ていきます。
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