CVR120%改善、月間売上過去最大を達成。インハウスのデザイン文化を「事業成長の仕組み」に変えた、3年間のパートナーシップの裏側。

株式会社シロク

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「ユーザー中心のサービス開発」を理念に掲げ、社内に優れたデザイン組織を構えている。しかし、日々の業務の中で、重要だとわかっていながら「既存顧客の体験向上」や「購入プロセスの細かな改善」といったテーマが後回しになってはいないでしょうか。

「N organic」をはじめとするビューティーブランドを展開する株式会社シロク様も、かつて同様の課題に直面していました。

本記事では、2022年から約3年にわたるパートナーシップを通じて、CULUMUがシロク様の持つユーザー中心の文化をいかにして「継続的な事業成長を生み出す仕組み」へと昇華させ、サイト全体のCVR120%改善、そして月間売上過去最大という成果に繋げたのか。その具体的なプロセスと成果をご紹介します。

なお、本事例はデザインの事例を紹介するサイト『Cocoda』にて掲載された記事(2025年5月12日公開)を基に、再編集したものです。


お客様のご紹介

  • 企業名: 株式会社シロク(SIROK, Inc.)

  • 設立: 2011年(サイバーエージェントのグループ企業として設立)

  • 事業内容: 自社ビューティーブランド「N organic」「FAS」等の企画・開発・販売。公式オンラインストアや全国の直営店、取扱店舗にて展開。

  • 特筆事項: CULUMUの支援以前から、独自のデザイン組織をインハウスで保有。商品開発時のユーザーリサーチやパッケージデザインも内製するなど、全社的にユーザー中心なサービスづくりを重視する文化が根付いていました。


課題:インハウス組織だけでは越えられない「壁」

なぜ、デザイン組織があるのに外部パートナーが? —事業成長の裏に潜む「専門性」と「工数」の壁

「社内のデザイン・開発チームがあっても、専門性・工数の問題で、うまく施策に繋げられないこともあるはず」 。当時のシロク様も、スピード感のある事業成長の裏で、下記のような課題に直面していました。

  • リソースの壁 ユーザーインサイトの重要性は誰もが認識しつつも、「すでに会員になっているお客様の体験向上」や「購入に迷うポイントの改善」といった領域は、重要ながらも日々の開発優先度の中で十分な工数を割くことができず、後回しになりがちでした。

  • 仕組みの壁 商品開発などで行われるユーザーリサーチの結果を、オンラインストアの継続的なサービス改善へと繋げる「プロセス」や「体制」が確立されておらず、リサーチが単発で終わってしまうケースがありました。経営層からは、顧客視点のサービス開発を「より強く、スピーディーに」推進したいという想いがありました。


3年間にわたる多角的なパートナーシップ

CULUMUの支援は、一度きりのプロジェクトではありません。約3年間のパートナーシップを通じて、シロク様の事業成長フェーズに合わせて、以下のような多岐にわたる重要な取り組みを共に推進してきました。

  • 「シロクオンラインショップ」サービスサイト立ち上げ

  • 同サイト内「定期便」機能の改善

  • 「N organic」サイトリニューアル

  • お客様向けパンフレットのUX改善 など

そして、これらの多様な取り組みすべての成功と、継続的な事業成長の根底にあったのが、次にご紹介する「仕組み」のデザインです。


CULUMUからの提案:単なる制作ではない、「仕組み」のデザイン

私たちは、個別のデザイン制作やリサーチ代行といった目先の解決策ではなく、シロク様が持つ文化をさらに加速させるための「ユーザーリサーチ基盤の構築」をご提案しました 。

それは、すべての顧客接点から得られる情報を、継続的なサービス開発に活かすための「仕組み」そのものをデザインし、お客様と伴走しながら組織に定着させていく取り組みです。


プロセス:3年で築き上げた、ユーザーリサーチ基盤

ユーザーリサーチ基盤構築の3ステップを示す図解

STEP 1:【立ち上げ】調査の「型」をつくる
まず、リサーチが特定の個人のスキルに依存しないよう、「型」づくりから着手しました。誰でも質の高いリサーチを迅速に実施できるよう、調査設計書やインタビューのテンプレートを作成し、組織の共通言語を定義しました。

STEP 2:【体制整備】依頼フローの整備とバックログ管理
次に、リサーチを事業改善サイクルに完全に組み込むための体制を整備。事業部の各担当者からリサーチ依頼をスムーズに受け付ける。Slackでの依頼フローを構築し、Notionを活用して課題や発見されたインサイトを一元管理するバックログを運用しました 。これにより、リサーチが単発で終わることなく、継続的な改善アクションへと繋がるようになりました。

STEP 3:【実績を出す】これまでできなかった体験を一つひとつ改善
構築した基盤を活用し、これまで後回しになっていた課題に次々と着手。お客様向けのパンフレットのUX改善 や、サイトリニューアル、定期便機能の改善など、具体的な成果を一つひとつ積み重ね、リサーチ基盤の有効性を社内全体で実感できる状況を作り出しました。


成果:事業成長と、それを生み出す「文化」の強化

このリサーチ基盤を軸とした一連の取り組みは、事業に大きなインパクトをもたらしました。

  • 定量的な成果:サイト全体のCVRが120%改善(リニューアル後の月の売上が過去最大を記録)

  • 定性的な成果: 商品開発だけでなく、あらゆる顧客体験の向上施策において、ユーザー情報を活用した改善サイクルが自走するようになりました。「これまで以上に、ユーザー情報を活用したサービスづくりができるようになった」のです 。CULUMUの支援は、シロク様が元々持っていた「ユーザー中心」の文化を、誰もが実践できる「体制」と「プロセス」として組織に定着させるきっかけとなりました。


お客様の声

リサーチ導入による成果を実感するシロク社内からの声
リサーチ導入による成果を実感するシロクCDOの石山氏からのコメント

CULUMUからのメッセージ:貴社の文化を、成長のエンジンに。

世の中には、作り手の視点でサービスを開発する「プロダクトアウト」、市場のニーズに応える「マーケットイン」という考え方があります 。

しかし私たちは、それ以上に、徹底的なN1理解からサービスを育てる「ユーザーインなサービスづくり」が、これからの事業成長には不可欠だと考えています 。

CULUMUが支援するユーザーインの概念図

私たちは、お客様の中に眠る「ユーザー中心」の文化を、事業成長に繋がる「仕組み」へと昇華させるパートナーです。

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