新しい公共空間・商業施設を設計するインクルーシブデザインワークショップ

自治体

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本ワークショップは多様な人に優しい空間や施設の企画・設計に携わる、建築業界はじめとする様々なバックグラウンドをお持ちの、総勢11名の方と実施しました。


今回のワークショップでは「エスノグラフィー手法を活用して「人と空間」をテーマとしたインクルーシブデザインに触れること」を目的として開催しました。

また、実際のフィールドワークは宮下公園(MIYASHITA PARK)を目的地として実施しました。リードユーザーとともに、原宿にある会場から渋谷までの向かい方や施設内での過ごし方などの行動観察を行いました。

フィールドワークの目的地である宮下公園の外観

実際に出向いてみて多くの気づきが得られたのも、多様な人々や価値観が交差する場所である宮下公園ならではでした。ワークショップ全体の詳細をご紹介します。

1Dayでインクルーシブデザイン・エスノグラフィー手法に触れる

1日を通して、このようなプログラムを実施しました。昼食をとる部分もフィールドワークの一環として行いました。

  • 自己紹介、アイスブレイク

  • インクルーシブデザインとは

  • エスノグラフィー手法について

  • 観察するとは

  • フィールドワーク(チームで昼食をとる)

  • 気づき&仮説の整理

  • プレゼン

そして今回は3名のリードユーザー(当事者)の方々にお越しいただきました。
車椅子ユーザーの大野さん、岩本さん。ロービジョンの松田さんとともに、フィールドワークを行いました。

ワークショップにおける1日のカリキュラム図

相手を「観察」することを通してものを見る解像度を上げる

今回のワークショップの冒頭には「隣の人を観察して10秒間でスケッチする」というアイスブレイクを行いました。
シンプルながらも、限られた時間で相手を観察しスケッチとしてアウトプットするワークは、この後フィールドワークでも実践する行動観察に向けた良いウォーミングアップになりました。

アイスブレイクで参加者が互いを観察し合う様子

インクルーシブデザイン、エスノグラフィー手法について学ぶ

最初は座学として、法改正による社会の変化やダイバーシティ経営での効果について、具体的な導入事例やプロジェクト事例をもとに学びました。
今回ご参加いただいた方々は実践されようとしている方も多く、インクルーシブな取り組みがビジネスと相反するのか、などについて実際のデータを元にご紹介しました。
また、エスノグラファーとして長年活動している鈴木からの実際の経験談やエピソードもふまえながらリアルな内容をご共有しました。

インクルーシブデザインの背景や事例を学ぶ座学の資料

ユーザーに対する深い共感

世の中で様々な調査手法がある中で、今回はより「共感」の関与度の高いフィールド調査とエスノグラフィー調査に触れることにフォーカスしていきました。
ユーザーへ共感するにあたって、観察する、関わる、没頭することがポイントとして挙げられ、これらを念頭に置きながら、実際のフィールドワークへと向かいました。

今回の深掘り項目であるフィールド調査を示す図解

実際にフィールドワークに出かける

今回の目的地は渋谷にある宮下公園。
原宿にある現在地からどのように向かうか、行き方を決めるところから観察が始まります。

原宿の会場から宮下公園への行き方を示すマップ

テーマとともに観察する

そして今回はただ外出するのではなく、視点を持ちながらフィールドワークを行いました。例えばこのようなテーマです。

  • 新しいチル体験の想像

  • 新しい食事体験の想像

  • 新しい買い物体験の想像

  • 新しい待ち合わせ体験の想像

どのテーマも宮下公園ならではの多様な視点や新しい気づきを得られそうなテーマです。各チームで話し合いながら、共通する視点を持ってフィールドワークに出かけました。

実際のフィールドワーク風景

車椅子のリードユーザーとともに横断歩道を渡る様子
白杖を持つリードユーザーと宮下公園内で対話する様子
駅員が設置したスロープで電車を利用する車椅子ユーザー
店舗で商品を観察しながらリードユーザーと対話する様子

気づきと仮説の整理

いろんなものの見方がある。視点の違いを楽しむ

フィールドワークから帰ってきたあとは、参加者それぞれが観察した、リードユーザーにとっての「課題・困りごと」 「新しい発見・気づき」を整理していきます。
同じ場にいながらも、観察者ごとの視点があり、共有しながら互いに気づきをたくさん得ることができました。

フィールドワークでの気づきをチームごとに整理する様子

そして、観察・インタビューで得られた情報をもとにアイデア出しを行いました。
事実、気づき・仮説、How might we Questionをもとに、インクルーシブなアイデアをなるべく多く出していきました。

ホワイトボードに付箋を貼りアイデア出しを行う参加者

プレゼン

最後に、チームごとに実際のアイデアをプレゼンしました。
凝縮された時間の中で各チームから様々な新しいアイデアが出されました。

チームごとに出されたアイデアをプレゼンする様子

参加者の感想

フィールドワークをともなったワークショップへの参加は初めてでしたが一歩会場の外へ出ただけで、気づくことがたくさんありました。自分の足で歩く原宿~渋谷間とはまったく違う世界を見ることができ、ユーザーの目線に寄り添うことの大事さを強く感じることができました。
リードユーザーの方には、こちらが問いとして思いつかない部分まで積極的に開示していただきました。たくさんの気づきを得ることができ大変ありがたかったです。

WSに参加するにあたり、最初は緊張しましたが、終始和やかな雰囲気で進行していただき、楽しくワークに取り組むことができました。 短時間でのアイデア出しでしたが、短時間で一連の流れを体験できた、という点が良かったです。座学の内容もわかりやすかったです。スタッフの方もチームに参加していただいたので安心感がありました。

「何も起きていないようで、実は何かが起きている」という観察時のポイントとして教えていただいたこの視点を持っての行動観察は非常に興味深かったです。普段は気にしたこともなかったことに気がつくようになり、ワークショップを終えてから街並みを見る視点が変わりました。
ノウハウから実践までが詰まったとても濃密なワークショップでした。

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