401人の感覚が集まる。CULUMU「感覚のにわ」Desigship出展レポート

    • #レポート

    2026年10月10日(土)・11日(日)、東京ミッドタウンで開催されたデザインカンファレンス「Designship 2026」に、CULUMUがゴールドスポンサーとして出展しました。

    今回の展示の中心となったのは、会場で感じた音や光、におい、人混みなどを投稿し、みんなの感覚を一つの庭として可視化する「感覚のにわ」です。

    今回は、当日のブースの様子や「感覚のにわ」に集まった感覚、制作の舞台裏まで、2日間の様子をレポートします。展示の細かいコンセプトは、こちらの記事もご覧ください。

    人が集まり、感覚に出会う「櫓」

    ブースは、祭りの「櫓(やぐら)」をイメージした「感覚に出会う櫓」。建築をバックグラウンドに持つ桑原が設計しました。木の櫓に向きや高さの異なるパネルを配置し、その中央に「感覚のにわ」を映し出すモニターを置いています。

    櫓は、開場前からほかの出展企業の方に「すごい!」と声をかけていただくほど、目を引く仕上がりになりました。建築の知見を持つメンバーがいたからこそ実現できた空間です。

    一方、会場での組み立てには工夫も必要でした。部材にはあらかじめ番号を振り、組み立て手順をまとめた部材表を用意。限られた時間のなかでも、スムーズに設営できるよう準備を進めました。

    当日は、黒い法被を着たスタッフがパネルの前で展示を説明し、「感覚のにわ」への参加を案内しました。1日目の昼過ぎには、3人のスタッフだけでは対応しきれないほど多くの方が立ち寄ってくださいました。

    この法被は、スポンサー企業の交流会でも「いいね」と褒めていただきました。また、メンバーはみんな、昨年のDesignshipでつくったロングTシャツをおそろいで着て参加しました。

    感じたことが、庭の一部になる

    参加する方は、会場を歩きながらその場で感じたことをスマートフォンから投稿します。投稿された感覚は「たね」となって庭に植えられ、少しずつ姿を変えていきます。仕組みには、CULUMUが開発中のセンサリーAIエンジン「Calmy(カーミー)」を使っています。

    投稿そのものはスマートフォンから確認できますが、ブースの大きなモニターでは、自分の投稿がほかの人の感覚と並び、庭の一部になっていく様子を見ることができます。

    投稿を終えてブースに戻ってきた方と、自分のたねが加わった庭を一緒に確かめる場面もありました。自分が感じたことが、ほかの人の感覚と同じ画面に並ぶ。個人の体験が、会場にいる人たちの体験の一部になっていく展示です。参加した方からは「面白い!」「毎年やってほしい」といった声もいただきました。

    ブースでは、「感覚のにわはどうやってつくったの?」「CULUMUってどんな会社なの?」「今回のイベントのために新しくつくったの?」といった質問も寄せられました。展示をきっかけに、仕組みやCULUMUの取り組みに興味を持っていただけたことも、今回の出展で得られたことの一つです。

    401人が植えた、715のたね

    2日間で「感覚のにわ」に参加したのは401人。投稿された感覚は、合計715件にのぼりました。
    1日目は15時半の時点で171人、2日目は15時ごろに334人に達し、閉幕まで参加者は増え続けました。集まった投稿の約7割は「心地いい」側でしたが、ステージの間にあるブース通路では約半数が「落ち着かない」と答えています。音の大きさよりも、周りに人が多いことが落ち着かなさにつながっていたようです。また、刺激の感じ方がまったく同じ投稿どうしでも、4組に1組は心地よさの評価が逆でした。

    同じ音を聞いていても、それを負担に感じる人もいれば、心地よいと感じる人もいます。静かな場所に安心する人もいれば、周囲のにぎわいがあることで落ち着く人もいるかもしれません。

    空間の感じ方は、場所の特徴だけで決まるものではありません。そこで過ごす人の感覚や、そのときの状態によっても変わります。

    「感覚のにわ」は、そうした違いを一つの正解にまとめるのではなく、それぞれの感じ方があることを見える形にする試みです。普段は言葉にされにくい感覚も、誰かの投稿として目にすることで、自分とは異なる感じ方に出会うきっかけになります。

    感覚を包む、オリジナル巾着「くるむんちゃく」

    「感覚のにわ」で2か所の感覚を投稿してくださった方には、CULUMUオリジナルの巾着「くるむんちゃく」をお渡ししました。

    柄のテーマは、さまざまな感覚刺激です。メンバーがオフィスでシルクスクリーンを使い、一枚ずつ手刷りしました。ほとんどは白地に黒の印刷ですが、黒地のものや、青・ピンク・黄色で刷ったものなど、色違いも少しだけ用意しました。

    会場では柄を「かわいい」と言っていただいたほか、一枚ずつ手刷りしていることに驚く声もありました。用意した300個は、2日目の16時ごろにすべてなくなり、その後は昨年のDesignShipで用意したおみくじをお渡ししました。

    それぞれの得意を持ち寄って

    今回の展示は、8月末にホワイトボードへ描いた一枚のラフスケッチから始まりました。そこからおよそ45日。櫓も、巾着も、庭も、チームで形にしてきました。

    グラフィックが得意なメンバーは巾着の柄を、映像が得意なメンバーはダイジェスト動画を、建築が得意なメンバーは櫓を担当。デジタルが得意なメンバーは「感覚のにわ」の開発に取り組み、人とつながることが得意なメンバーは、会場での対話や交流を担いました。

    それぞれの得意分野を持ち寄り、一つの展示をつくり上げた今回の出展。準備から当日の運営まで、メンバーのさまざまな強みが形になった機会でもありました。

    集まった感覚を、これからの空間づくりへ

    今回の「感覚のにわ」には、401人が参加し、715件の感覚が集まりました。
    一つの会場であっても、そこにいる人が受け取る環境は同じではありません。
    ある人にとって心地よい場所が、別の人にとっては負担になることもあります。そうした違いを見つけ、一人ひとりの経験を空間づくりに活かしていくことが、誰もが過ごしやすい環境を考えるうえでの手がかりになります。

    今回集まった感覚のデータは、Calmyの今後の開発に活かしていく予定です。完成した庭の全体像についても、後日あらためて紹介します。

    ブースにお越しいただいた皆さま、感覚を投稿してくださった皆さま、ありがとうございました。
    なお、2日目に桑原が登壇したセッションのレポートも、後日公開予定です。登壇資料はSpeaker Deckで公開しています。

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