デザイン経営とは何か?9つの取組の入り口と期待されるイノベーション

インクルーシブとは

インクルーシブ(inclusive)とは、「包括的な」という意味を持ちます。具体的には、あらゆる人々を平等に受け入れ、参加させ、尊重することを指します。

インクルーシブは、多様な背景や人々の違いを尊重し、それを認め、それを活かすことを目的としています。これは、異なる性別、年齢、人種、民族、宗教、性的指向、障がいの有無などの多様な背景を持つ人々を受け入れ、認めることが含まれます。

インクルーシブな環境は、従業員や社員、顧客、パートナーなど、あらゆるステークホルダーにとって良い結果をもたらすと考えられています。これは、より多様で創造的なアイデアやソリューションを生み出し、企業のイノベーション力を高めることができるからです。また、従業員のやる気や忠誠心を向上させ、生産性を高め、企業の経営成績を向上させることもできます。

したがって、インクルーシブな環境を作り上げることは、企業にとって重要な課題の1つであり、社会的責任の一環としても位置付けられています。

インクルーシブデザインの意味

インクルーシブデザインを提唱したのは、イギリス・ロンドンにあるロイヤル・カレッジ・オブ・アート(英国王立芸術大学院)のロジャー・コールマン教授。

彼は、友人である車椅子の女性から自宅キッチンのデザインを依頼され、車椅子でも使いやすい機能的なキッチンを考えました。しかしその女性が言ったのは、「他の人がうらやむようなキッチンをデザインして」という希望でした。

ハンディを考慮すると機能性のみ追求しがちです。しかしコールマン教授は、「本当は何を望んでいるのか」を障害者と同じ目線で考える大切さに気づきました。深いニーズや価値観を掘り起こして解決することが、インクルーシブ・デザインの本質です。

インクルーシブデザインとは、あらゆる人々が利用しやすいように、身体的、認知的、感覚的、言語的、文化的な多様性を考慮したデザインのことを指します。つまり、障がいを持つ人や高齢者、異なる文化や言語を持つ人など、あらゆる人々が同じように利用できるように、デザインを行うことを意味します。インクルーシブデザインは、社会的包摂を促進し、多様性を尊重することで、より公正で平等な社会を実現するための重要な取り組みとなっています。

インクルーシブデザインとユニバーサルデザイン

インクルーシブデザインとユニバーサルデザインは、どちらもあらゆる人が利用しやすい製品や環境を作るためのデザインの考え方ですが、微妙に異なる点があります。

インクルーシブデザインは、あらゆる人が利用しやすい製品や環境を作るために、多様性を尊重し、誰もが参加できるようにすることを目的としています。つまり、あらゆる人が利用しやすいようにするために、特定のグループに配慮するだけでなく、多様性を尊重し、誰もが参加できるようにすることが重要です。

一方、ユニバーサルデザインは、あらゆる人が利用しやすい製品や環境を作るために、あらゆる人のニーズを考慮して、最初から設計することを目的としています。つまり、あらゆる人が利用しやすいようにするために、あらゆる人のニーズを考慮して、最初から設計することが重要です。

両者の目的は似ていますが、アプローチに微妙な違いがあります。インクルーシブデザインは、多様性を尊重し、誰もが参加できるようにすることを重視していますが、ユニバーサルデザインは、あらゆる人のニーズを考慮して、最初から設計することを重視しています。どちらのアプローチも、あらゆる人が利用しやすい製品や環境を作るために重要な考え方です。

インクルーシブデザインの理念とSDGs

インクルーシブデザインは、あらゆる人々が平等に参加できる社会を実現するためのデザインの理念です。この理念は、SDGs(持続可能な開発目標)の目標10である「人々の平等な機会を促進し、不平等を減らす」にも関連しています。

インクルーシブデザインは、障がい者や高齢者、文化的・言語的な背景の異なる人々など、多様な人々のニーズを考慮した製品やサービスを開発することを目的としています。これにより、社会のあらゆる人々が平等に参加できる環境を実現し、社会的包摂を促進することができます。

SDGsの目標10は、社会的包摂を促進することを目的としています。インクルーシブデザインは、この目標を達成するための重要な手段の一つであり、持続可能な社会の実現に向けた取り組みの一環として注目されています。

インクルーシブデザインと社会の取り組み

インクルーシブデザインは、あらゆる人々が利用しやすい製品やサービスを開発するためのデザイン手法です。これは、障がい者や高齢者、文化的な背景の異なる人々など、あらゆる人々が利用しやすい製品やサービスを提供することを目的としています。

社会においては、インクルーシブデザインは、多様性を尊重し、あらゆる人々が平等に参加できる社会を実現するための取り組みとして注目されています。例えば、公共交通機関や公共施設のバリアフリー化、ウェブサイトやアプリのアクセシビリティの向上などが挙げられます。

また、企業においても、インクルーシブデザインは、顧客の多様性に対応し、より広い層に製品やサービスを提供することができるため、競争力を高めることができます。さらに、多様な人材を採用し、職場環境を改善することで、企業の社会的責任を果たすことができます。

インクルーシブデザインは、社会のあらゆる分野で取り組まれるべき課題であり、今後ますます重要性が高まっていくことが予想されます。

インクルーシブデザインと企業の取り組み

インクルーシブデザインとは、製品やサービス、空間などの設計において、あらゆる人が利用しやすいように配慮するデザインのことです。すべての人々が等しく参加できる社会を目指し、障害のある人や高齢者、子ども、外国人など、様々な人々のニーズを考慮したデザインが求められています。

近年、企業もインクルーシブデザインに注目しており、製品やサービス、ウェブサイトなどの設計において、より多様な人々に利用されるように工夫を凝らしています。例えば、障害のある人が利用しやすいように、視覚的な情報を音声に変換する機能や、文字サイズを調整できる機能を備えた製品やサービスが開発されています。

また、企業は多様性と包括性を重視することで、従業員の幸福度や生産性を向上させることができるというメリットも認識しています。そのため、企業内でもインクルーシブデザインの考え方を取り入れ、多様な人材を採用したり、職場環境を改善したりする取り組みが進んでいます。

インクルーシブデザインは、企業にとっても社会にとっても、大きなメリットがあると考えられています。今後も、ますます多様な人々が利用する製品やサービスが求められる中で、インクルーシブデザインの重要性は高まっていくでしょう。

インクルーシブデザインの取り組み事例

インクルーシブデザインの取り組みは、様々な企業で行われています。以下にいくつかの具体的な事例を挙げてみます。

Apple社の「VoiceOver」機能
Apple社の製品には、視覚障がい者が利用しやすいように、スクリーンリーダー機能である「VoiceOver」が搭載されています。この機能により、画面上のテキストやアイコン、ボタンなどが音声で読み上げられるため、視覚障がい者でもスマートフォンやタブレットを利用することができます。

Unilever社の「ブラインドリクルート」
Unilever社は、障がい者採用に取り組んでおり、採用面接の過程で障がい者の雇用を促進するためのプログラム「ブラインドリクルート」を導入しました。このプログラムでは、採用面接で履歴書や志望動機などの書類を見ずに、応募者の能力や人物像を評価することができます。

Airbnb社の「Airbnbアクセシビリティ」
Airbnb社は、障がい者や高齢者などの利用に配慮した「Airbnbアクセシビリティ」を導入しました。このプログラムでは、利用者が身体的な障がいを抱えている場合には、車椅子の移動に対応した住まいを提供したり、視覚障がい者向けの説明動画を提供することで、より多様な人々がAirbnbを利用できるようにしています。

Microsoft社の「Xbox アダプティブ コントローラー」
Microsoft社は、ゲームをプレイする障がい者に向けて、新たなコントローラー「Xbox アダプティブ コントローラー」を開発しました。このコントローラーは、手足の自由が制限された人でも、自分に合ったデバイスをつなぐことで、ゲームをプレイすることができるようになっています。

以上のように、様々な企業がインクルーシブデザインの取り組みを進めており、多様な人々がより快適に製品やサービスを利用できるようになっています。

インクルーシブデザインの現状と課題

インクルーシブデザインは、すべての人が利用しやすい製品やサービスを設計することを目的としています。しかし、現状ではまだまだ課題が残されています。

1. 認知障害や身体障害を持つ人々にとって、デザインが十分に考慮されていない製品やサービスが多いことが課題となっています。

2. 誰でも利用しやすい製品やサービスを設計するためには、多様な人々のニーズや要望を理解することが必要ですが、そのための情報収集や分析が不十分であることが課題となっています。

3. インクルーシブデザインを実践するためには、デザイナー自身が多様なバックグラウンドや経験を持つことが重要ですが、現状ではそのような人材が不足していることが課題となっています。

4. インクルーシブデザインを実践するためには、製品やサービスの開発において、多様な人々との協働が必要ですが、そのためのプロセスやツールが不十分であることが課題となっています。

5. インクルーシブデザインを実践するためには、企業や組織の文化や価値観の変革が必要ですが、そのための取り組みが不十分であることが課題となっています。

これらの課題を解決するためには、デザイナー、企業、組織、社会全体が協力して取り組むことが必要です。また、インクルーシブデザインを実践することで、多様な人々がより豊かな生活を送ることができるようになると考えられます。

本記事を通じて、インクルーシブデザインの重要性と多様性について探求してきました。インクルーシブデザインは社会のあらゆる分野において求められる考え方であり、特に企業やデザイナーにはその実践が求められています。現在の取り組み事例や課題に目を向けながら、より包括的な社会を築くための具体的な行動が必要です。インクルーシブデザインの理念を胸に、より多くの人々が参加し、共に豊かな社会を創り上げましょう。

keyboard_arrow_right

一覧へもどる

keyboard_arrow_right

Contact

お問い合わせ

お気軽にご相談ください。お見積もり依頼も可能です。1営業日中にご返信いたします。

お問い合わせをする

keyboard_arrow_right

Service introduction

サービス紹介資料

CULUMUが提供するインクルーシブなデザインソリューションをご紹介しています。ぜひご活用ください。

資料をダウンロードする

keyboard_arrow_right

採用情報

Careers

N=1の当事者の声からしか、生まれない未来がある
“つくる”を超える“共創”に挑戦する仲間を待っています

詳しく見る

新規タブで開く