新規事業を迷走させる顧客理解という幻想
なぜ72%の企業は「顧客を理解できている」と誤認するのか?

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デザインスタジオが500社の失敗パターンを分析して見えた、共創型デザインアプローチの有効性

企業の新規事業創出を支援するインクルーシブデザインスタジオCULUMU(運営:株式会社STYZ、本社:東京都渋谷区、代表取締役:田中辰也、以下「CULUMU」)は、ホワイトペーパー『事業を迷走させる顧客理解という幻想―なぜ72%の企業は「顧客を理解できている」と誤認するのか?デザインスタジオが500社の失敗パターンを分析して見えた、共創型デザインアプローチの有効性。―』を公開しました。(調査期間:2025年8月〜2-2025年12月)
本レポートでは、新規事業が直面する「幻滅の谷」と呼ばれる停滞フェーズの構造を分析し、顧客理解を起点とした意思決定プロセスの設計がいかに事業成功に影響するのかを整理しています。新規事業の成功確率が極めて低いと言われる中、その最大の要因である「顧客理解不足」に焦点を当てました。
平均的な顧客像に依存する従来のアプローチを見直し、N=1の定性リサーチを起点とした探索的顧客理解の重要性と実践方法を提示します。

本資料から抜粋した顧客理解・調査の主担当割合を示す図表。事業企画・事業戦略部門が52.8%で最多、デザインリサーチ・顧客理解専門部門は28.2%

■調査の概要

本調査は、新規事業が成長過程で直面する「幻滅の谷」と呼ばれる停滞フェーズの構造的要因を整理し、顧客理解プロセスの設計がどのように事業成功率に影響するかを明らかにすることを目的としています。
新規事業は企業の成長投資として語られることが多い一方で、実際には既存事業の将来リスクに備える「生存戦略」として位置づけられる側面が強くあります。そのため、既存事業を深化させる深化と、新しい市場機会を探索する探索を両立する「両利きの経営」が求められます。しかし、新規事業の成功確率は極めて低く、単年黒字化に到達するプロジェクトは約10%、企業の中核事業へ成長するものは1〜2%にとどまると言われています。
こうした背景を踏まえ、本調査では以下の観点から新規事業の停滞要因を整理しました。

  • 新規事業が直面する「幻滅の谷」の構造

  • 顧客理解不足が意思決定に与える影響

  • N=1定性リサーチの役割

  • 定量と定性を往復する仮説検証プロセス

  • 新規事業を成功に導くデザイン組織のあり方

新規事業の各段階で到達率が下がることを示したグラフ。単年黒字化は10.2%、継続黒字化は5.7%、中核事業化は1.6%で、9割の企業が成功に至っていない

背景:いま起きている社会変化

現在、企業を取り巻く市場環境は急速に変化しています。特に顧客ニーズの多様化は、事業開発の前提条件を大きく変えています。
具体的には以下のような変化が進んでいます。

  • 顧客の価値観・ライフスタイルの多様化、技術革新による市場構造の変化

  • グローバル化による文化的・社会的背景の多様化

  • 個別化されたニーズへの対応要求の増加

これまでのように「平均的なユーザー」を前提とした商品開発では、市場機会を捉えきれないケースが増えています。

新規事業の進行に伴う顧客理解の自己評価の変化を示した図。アイデア構想段階の21.4%から、ローンチ後は5.4%まで下がっている。

■課題:現場や市場で起きている詰まり

新規事業の失敗要因として最も多く指摘されるのが 顧客理解不足 です。調査では、企業の72%が「顧客を十分理解している」と認識している一方で、実際の失敗要因の約30%は 市場ニーズの欠如 に起因するとされています。このギャップは、新規事業の現場で次のような問題として現れます。

  • 想定していた市場ニーズが存在しない

  • 顧客課題の解像度が低い

  • 収益モデルが成立しない

  • 既存事業の評価基準と衝突する

こうした問題は、特に 0→1フェーズから1→10フェーズへ移行する過程 で顕在化します。
アイデア創出やPoCの段階では期待が高い一方、実際の市場反応や顧客獲得の困難さに直面すると、事業成長が停滞します。この状態がいわゆる 「幻滅の谷」 です。
この段階では、投資継続か撤退かの判断が曖昧になり、プロジェクトが長期間継続する “ゾンビ化” が起きることも少なくありません。

新規事業で企業が陥る3つの罠を整理した図。挑戦企業は機会特定、価値検証、運営基盤に課題を抱えやすく、成功企業はそれぞれを構造的に設計できていることの提示

■N=1探索的調査の意義

新規事業の成功企業に共通しているのは、極端なユーザー(リードユーザー)に対するN=1定性リサーチ を重視している点です。
N=1調査とは単に「一人の声を聞く」ことではありません。それは、

  1. 顧客行動の背景にある 因果関係

  2. 意思決定に影響する 文脈

  3. 表面化していない 潜在ニーズ

を探索するプロセスです。
定量データが「規模や分布」を示すのに対し、定性データは「なぜそれが起きるのか」という因果構造を理解するための手がかりになります。成功企業は、定量(規模) × 定性(因果)を往復し続けることで仮説を更新し、意思決定の精度を高めています。また、0→1フェーズでの失速は「問いの弱さ」に起因することが多いため、顧客理解の質を高める問いのデザインも重要な要素となります。

定量調査は既存仮説の検証に、定性調査は新規仮説の立案に向くことを示した図。市場や製品が新しい領域ほど、N=1の定性調査や探索型リサーチが重要になることを整理したスライド

■目次

本レポートでは、新規事業の停滞を引き起こす構造的課題を整理し、顧客理解を起点とした事業開発プロセスの設計方法を提示しています。

  1. 現代における新規事業開発の意義

  2. 〝単年黒字化〟に成功している新規事業開発のポイント

  3. 企業の新規事業開発の成功プロセス

  4. 【付録】新規事業の失敗要因ランキング

  5. 新規事業の取り組みに関する実態調査本編(単純集計)

主なポイントは以下の通りです。

  • 新規事業における「幻滅の谷」の構造

  • 新規事業が失敗する本当の理由

  • 顧客理解不足が生む意思決定の停滞

  • N=1定性リサーチの役割

  • 定量と定性を往復する仮説検証プロセス

  • 顧客理解を事業仮説へ翻訳する組織能力

本レポートは、新規事業の成功が アイデアの優劣ではなく、顧客理解プロセスの設計によって決まる という視点から整理されています。

■このホワイトペーパーは、新規事業に携わる以下の方々におすすめです

本レポートは、以下のような方に特におすすめです。

  • 新規事業開発・事業企画の担当者

  • 経営企画・イノベーション推進部門

  • R&D、UX、デザインリサーチ担当者

  • 新規事業のPoCや検証フェーズに携わるプロジェクトリーダー

  • 顧客理解を起点にした事業開発を検討している企業

■調査概要

調査対象者:売上高100億円以上の規模の会社に勤める、直近5年で新規事業開発に関与した経験者有
効回答数:最大 n=579
割付方法:それぞれの業界・業種の回答者数がn=100となるように割付
調査方法:インターネットリサーチ
調査期間:2025年12月18日(木)~12月23日(火)
調査企画 :インクルーシブデザインスタジオCULUMU
調査委託先:QO株式会社、株式会社マクロミル

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